満退者の素浪人日記

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help RSS 昆虫の性の決定方法

<<   作成日時 : 2006/08/08 00:48   >>

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 熊本県荒尾市で、体の右半分が雄で、左半分が雌という珍しいノコギリクワガタが発見されたという(8月5日、西日本新聞)。こうした現象は「雌雄モザイク(ジナンドモルフ)」と呼ばれるもので、珍しいことではあるが、昆虫の世界では、ままあることらしい。人間では絶対に起きない事態が、なぜ昆虫では起きるのだろうか。

 人間のような哺乳類における解剖学的な意味での性別(ジェンダーではなくセックスの方)は、遺伝子によって決定される。性染色体がXXなら雌、XYなら雄、となっている。これに対して昆虫の場合、必ずしも性染色体だけで性別が決まらないらしい

 昆虫によっても性の決定方法が違うそうだが、性染色体で決定したり、共生細菌に影響されて性が決まるものもいる。また、性決定は環境に影響されることがない。この点は、体の成長段階によって性別が変わったり、周りに雄が多いか雌が多いかによって自身の性別をかえる魚類とは異なる部分である。

 こうした性差は、昆虫の場合は、単純に生殖器の違いだけでなく細胞そのものの働きに違いが出てくるという。だから、性差が細胞ごとにハッキリしており細胞レベルでの性別・性差が重要な意味を持っている、ということになる。

 さて、こうしたことを踏まえて今回のノコギリクワガタを見てみると、受精してから卵割が始まるどこかの段階で、「こっちの細胞は雄、そっちは雌」と決まってしまったらしい。染色体や卵割、あるいはその他の性決定システムに異常があったのだろう。この決定が覆ることはなく、おのおのの細胞が自分の性別に合わせて「雄的カラダ」「雌的カラダ」を形成した結果、左右がアンバランスな状態になったのだという。

 今回発見されたのは、性別が左右ハッキリ分かれているという点でも、非常に珍しいという。過去の例として、「体の一部(顔や羽の模様)だけ性が違う」や「性別が体中バラバラに混在してる」というのもあったという。クワガタだけでなく、蝶や蚕でもこうした事例が見られるという。

 
 何事も自分中心に考えてしまいがちだが、世の中、自然界には人間とはまったく異なる不思議な現象・仕組みがあるものだとびっくりさせられてしまう。


 参考: 西日本新聞のHP

     日本学術振興会 研究プロジェクト「昆虫の性決定の遺伝子ネットワーク」

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